急な用事
「それじゃ、明日は何処にドライブに行こうか?」
「お前の行きたいところでいいよ。」
「今日の夕食、何を食べる?」
「お前の食べたい物いいよ。」
彼は優しい。確かに優しいけれど・・・。
「始めて出会った時からいつも私がドライブコースを決めているから、
たまにはあなたに決めてもらいたいの。
せめて、明日のドライブは、何処に行くか決めてほしいな。」
「えっ??育毛剤???」
「運転するのは、あなたなんだし任せるわ。」
半ば強引に、明日のドライブ先を決めさせることに成功した。
これで少しは、彼のことをわかるかもしれない。
そして、翌日。
「どうしたの?」朝一番に彼から電話がきた。
「あのさぁ・・・。ちょっと言いにくいんだけれどスカルプDにしない?」
「何?急な用事でもできた?」
「いや・・・。特に用事ができたわけじゃないんだけれど・・・。」
相変らず、はっきりしない彼。
「用事がないのに中止ってどういうこと?わかるようにきちんと説明してよ。」
いらだった口調の私に彼が慌てて答えた。
「俺がドライブ先を決めるなんて、そんなの絶対に無理だよ。」
「はい?」
「お前が行き先を決めてくれないならドライブなんて行きたくないんだ。」
状況が、よく理解できない。この人、薄毛?